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私は歯科技工士です。
長くデンチャーを作っています。
篤次朗<とくじろう>が、「いれば」を気ままに語ります。          

「今日の歯科ニュース」<医科歯科通信>に連載)
歯科技工士専用白衣

歯科技工士が技工室でTシャツやポロシャツで作業して作業している光景によくであう。
作業するのに気楽でよいのかもしれない。
しかし歯科技工は医療の一部を担う職業である。
顔の見える歯科技工を望むのであれば、医療人として同じ土俵で仕事をするためには歯科技工士用の白衣があってもよいのではないか。
私は院内ラボが長かったおかげで、白衣はドクター用の帽子と白衣を着慣れていた。
仕事のON・OFFができる。
何よりも感染症予防になる。
作業場の塵を技工室から持ち出さないことが原則。
当然切削時に出るレジンや金属の破片は髪までも飛び散る。
平服で仕事をしてそのまま人ごみや電車にも乗る、家庭にまで入り込むことになる。
自分は良いが人の迷惑にならないか。
自宅で開業するときに歯科技工士用の白衣を探したが見つからず、メーカーにお願いをして自分専用の歯科技工に適した白衣を作っていただいた。
立ち座りのよい、塵の付きにくいデザインにした。縫製やデザインがよかったので、12〜13年使用したが不自由はしていない。
最近立ち合いが多くなり、取り外しが簡単な研磨時に汚れを防ぐエプロンと技工の作業着の上に着るドクタージャケットを作っていただいた。
メーカーにお聞きしたところ、歯科技工士の白衣は需要が少なく、代用品で間に合わせている状況だそうです。
歯科技工士は医療人としての意識向上にまず白衣から始めませんか?
| Dental Design | 01:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
義歯の意識革命?
こんな義歯はいかが?

義歯を毎日使う側の患者さんの気持ちとして、私は「入れ歯」ではありません!と言いたいけれど,日常洗浄液につける、夜はずしてコップの中に入れるなど、他の人には見られたくないものである。
私も長年義歯使用者である。たとえば食事をした後、義歯を清掃したいと思うときは洗面所などで気楽に洗いたいが、自宅ならよいが、レストランや会社などの洗面所では他人の目が気になります。作る側の発想で考えるとリアルで生体に調和した歯肉色であるべきと思うが、使う側にすれば口腔内では意識が少ないがはずして手にとると幻滅感があり人の目を意識してしまう。
私はいつどこででも他の人の目は気にせず洗っています。なぜならば他人が見てクリアーにした義歯は何を洗っているかは気が付きません。そんな患者側の気持ちも重要なファクターであり、常識ではなく義歯への意識革命になるのではないでしょうか。
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| Dental Design | 01:47 | comments(0) | trackbacks(0) |
石膏模型の裏側
歯科技工士にとって石膏模型は命である。
患者さんの口腔内の形を印象して石膏で形を再現する。
その上に補綴物(義歯など)を作るのが歯科技工士の業である。
その石膏模型は正確な印象が取れて、正確な石膏を注入されて初めて正確な補綴物ができる。

あたりまえの話ではあるが、模型にぴったりの補綴物を求められる。が・・・・模型にぴったりの補綴物が、患者さんの口腔内に入らないことはよくある話である。
なぜ?・・・・正確な印象?石膏の流し方?石膏の種類?・・・歯科医師、歯科衛生士、歯科助手、歯科技工士・・・追求すれば誰にでも責任はあるが、多くが歯科技工士に影響が出るのはそこに費やす時間と労力が負担となり、代償が大きい。

先日、「解剖学を知ることで模型を読める」講演会を聴きに行った。
多くの若い歯科技工士が熱心に講習していた。
歯科技工士にとって「患者さんへの思いやり」に繋がる知識であり「生体への意識を深める」ことが重要であると思う。
石膏模型は石膏であり生体とは違う。石膏模型の裏側には血も神経も流れているし、骨があり筋肉がある。柔らかいところ硬いところがありその上で機能するものを作るためには、解剖学は歯科技工士にとって基本知識であり、知らないといつまでたっても模型にぴったりだから、患者さんにぴったりなのだという錯覚に陥る。必要に応じて「避ける」「交わす」「伸ばす」「加える」・・・ができて初めて模型にぴったりの意味が完成されるのだと思う。
もう一つ加えると、模型から伝わらない「痛み」「辛さ」「苦しみ」「期待」「希望」・・・・などがあることを知らなければならない。
| Dental Design | 10:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
チーム歯科医療?
先日、歯科医師会主催のチーム歯科医療に関する講演会に演者として参加した。
講演内容は歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士、3者間のコミュニケーションを歯科医院の中で患者さんの来院に始まり受付応対、歯科医師の問診、診査診断、治療に進む過程において、補綴に関わるところでは歯科技工士の関与があるものの院外技工が主流の昨今、歯科技工所ではそこまでの状況は手に入らない。よって患者さんの主訴や要望が伝わらないことが見受けられる。確かに患者さんや歯科医師の個人的情報の伝達は難しく、判断基準もなく歯科医師個人の判断で作業模型と共に歯科技工指示書に最低限度の「メモ」程度のものが届けられる。どんなにベテランの歯科技工士でも、患者さんの希望に沿う補綴物が出来にくい状況ではないでしょうか。
院内技工の形態で、患者さんを囲むコミュニケーションサークルによる取り組みが望まれる。特に審美や義歯の形態などは、遠隔地での対応は患者さんの温度が伝わらない。昨今では、画像送受信による取り組みも聞かれるが十分ではないと思える。患者さんを知らないで模型上で満足するなどあり得ないし患者のQOL向上には程遠い。
歯科医師の指示の下に進行するのではあるが、技工の分業や技術、材料の進化に伴う対応は、専門歯科技工士や専門歯科衛生士の意見等に耳を傾け自身の技量やテクニックのバランスが重要ではないでしょうか。共に成長する取り組みが患者さんのQOLを支えるチーム歯科医療では・・・・
今回の講演会はどういうインフォメーションをされたのか分からないが、歯科衛生士の方は多く参加されていたが、歯科技工士の参加が無かったことに、チーム歯科医療の意義をもう少し考えなければならないと思う。歯科技工士も患者さんのQOL向上のために「チーム歯科医療」を考える必要があると思う。患者さんの喜怒哀楽を知ることで、仕事の責任感、満足感が「やりがい」に繋がる。
あるべき姿としては、業として「チーム歯科医療」の一環として働く以上、正当な対価を要求すべきであるが、そこをどこまで考えているのだろうか。理想だけが先行するのは医療ではないと思う。
| Dental Design | 10:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
入れ歯の色
手で持つ義歯の微妙なピンク色、我々歯科技工士であればあたりまえの色。
しかし初めて義歯を入れる人にとっては、「残酷な入れ歯色」になるらしい。
私自身も若かりし頃より、義歯を使用しているが、初めて義歯を口から取り出し、じっくり見ると、若いのに老人感覚を覚えた記憶がある。
口の中にあればどんなにリアルでも生体に調和していれば、自分の視覚に入らないことで気にならないし、またリアルでないと物と化してしまう。他人から「入れ歯」とわかってしまう。微妙な心理が働く。
ピンク色の部分は専門的に考えると、口腔内の生体の喪失してしまったところを回復するためには絶対に必要な部分であるが、色に関して無頓着な人が多くいるような気がする。
以前よりクリアー(透明)を併用しているが、前歯部のクリアーは黒く見えてしまうので、歯肉色でカバーしないと生体に調和しない。しかし現状として歯の色は正確にシェードテイキングするが義歯床の色はシェードテイキングされない傾向である。
デンチャーカラーリングがリアルさを表現するために用いられるが、私も数ケース使用してみたが、即重のレジンであったため変色が早く再生になってしまった経緯があるが、現在は良いものがあるのだろうか。難しいのは患者さんから調和したシェードテイキングと表現するテクニックが必要とされる。最低限、歯肉の色を的確に得ることが基本であると思う。
些細なことではあるが患者さんを“たかが色”で義歯への嫌悪感を与えてはならないと思う。
逆に医療的ではないが、遊び感覚で矯正などに用いるパステルカラーなどもこれから選択されるようになるのであろうか。
| Dental Design | 11:48 | comments(6) | trackbacks(0) |
入れ歯の形
十人十色、人それぞれ色が違う。
義歯の形も皆違う。
ずいぶん以前の話ではあるが、友達の母親がガンで余命が短いという。
「痩せて食べ物がおいしくなく覇気がない」
「どうしたら元気になるのか」と悩み、
最近歯科医院に通っているのだが、義歯の状態が良くないという。
ある日その義歯を持ってきた。
私は職業上、義歯をたくさん作っているが、どう見ても形が違う。
知り合いの歯科医に義歯の印象をお願いして採って合わせたら、
どうしたらこの形になるか不思議なくらい小さいし、
「義歯の形」をしていない。
その模型で修理をして歯科医に調整をしていただいた。
友達が言うに、その義歯を使ってからみるみる元気になり、
食べられることで元気になり余命3か月と言われ入院していたが、
退院して自宅で過ごすまで元気になったと感謝された。
友達は「魔法の入れ歯」と言っていたが、そんな訳はなく、
生体の形にあった条件を回復しただけの話で難しいことはしていない。
義歯は義歯の形の判る歯科医に作ってもらいたいと感じた。
あれから1年以上過ぎてから、亡くなられたことを知らされた。
「おいしい物をたくさん食べられ幸せな余生でした。ありがとうございます」とご家族の感謝の言葉をいただいた。
たかが「入れ歯の形」簡単な修理でどれだけの人に感謝されるのだろうか。
| Dental Design | 00:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
歯科技工と感染症
義歯を扱う歯科技工士なら修理は臨床において毎日のようにある仕事である。
レジンはわずかな時間でも口腔内に入っていれば唾液を吸い込む、唾液の中に感染症を引き起こす菌やウィルスが存在していたらと考えると義歯を削りたくない!バキュームで吸引しながら切削してもかなり飛散している。マスクや白衣で対応できるのであろうか。
先日、歯科技工士会主催の「歯科技工士のための感染知識」という講習会を聞きに行った。
元歯科大学教授が体を張って、菌やウィルスの危険性を説明していただいた後、歯科技工士の講師の方が話されたのだが、滅菌・除菌・殺菌・消毒・抗菌・・・・どこにどれだけ何をすることで感染予防になるのが伝わってこない。講師は実際に対策しているのであろうか説明が伝わらない。はたして石膏模型で感染者がいるのだろうか?歯科技工士会が感染予防の講習をするのならば、実際にどれだけの感染者がいてどんな感染症にかかったのか、データを教えてほしいものだ。口腔内に長く存在している義歯の話がなかったのは対処法がないから???アルギン印象は流水で2分以上洗う???変形してしまうし・・・水洗は必然と思うが対応策であろうか。石膏中にどこかのメーカーの化学液を入れると良いと言っていたが、危険なのは患者さんが直接触れる、印象・バイト・補綴物・義歯などの対応策を教えていただきたいものだ。ペーハーを変えた強酸性水の有効性や危険であるがグルタードアルデヒドや紫外線などの正しい使い方を教えてほしい。
歯科技工士は精密作業を素手で作業する職業であり、手に傷を作りやすく危険が身近である。現状は自己防衛ではあるがどこまで知識があるのであろうか。
唾液や血液の知識と共に感染症の知識を学ぶ必要がある。
どこで正しい知識を教えていただけるのだろうか?
| Dental Design | 02:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
20年ぶりの再会
以前に勤めていた歯科医院を退社して、15年余り、
別の歯科医院で先生とお話をしていると待合室で待たれていたご婦人に
「もしかして歯科技工士の○○さんではないですか?」と声をかけられた。
「すみません!気がつきませんでした。もしかして△△さんですか?」懐かしく20年たっても変わらぬ容姿にすぐ思い出した。なにより患者さんと対面する機会が少ない歯科技工士の名前と顔を覚えていていただいたことにびっくりした。
患者さんは90歳に手が届こうとしている年齢にもかかわらず、背筋も伸びお元気な様子で「あなたに作っていただいた義歯ですよ」とはずして見せていただいた。
作った当時と変わらず綺麗に20年間大切に使われていたことに感激すると共に自分で作った義歯を自分の知らないところで活躍していることに感動した。
「私が病気もせず健康でいられたのは、毎日おいしく食事が頂けたからですよ」と感謝していただいた。
私の方が嬉しくて「それは良い先生に恵まれ一緒に丁寧に調整してこられたからですね」と付け加えさせていただいた。作る側も使う側も優しく丁寧に扱うことで長く良い状態で生体の一部になっていることを見た気がした。
そして調整後に「100歳まで元気に生きますよ!」と言っていただいた。改めて歯科技工士の仕事の大切さと責任を感じてしまった。
| Dental Design | 18:53 | comments(0) | trackbacks(0) |
歯科医師の親の義歯
いつも技工の仕事をいただいている歯科医院から院長先生と同じ名前の義歯製作の依頼が来た。
院長先生から何も言われていないので通常通り義歯を完成させた。後日呼ばれ調整に立ち会わせていただいた。やはり院長先生のお父様で元歯科医師であることを知った。大変喜んでいただけたことに胸をなでおろした。「気持ち良く使っているよ」の言葉に安心すると共に満足感とやりがいのある仕事であると感じる。最近の歯科技工士の状況や環境を考えると回避する道はこんなたわいもない言葉の中にあるかもしれない。”信頼できる仕事は信頼できる人に”が基本であり、責任がやりがいを引き出し、感謝と対価は後から付いてくる。
振り返ってみると、長く歯科技工士をしていると思ったより歯科医師の義歯を作ることが多いいことに改めて気が付く。うまくいくことばかりではないが大変勉強になる。生きた言葉が返ってくるからだ。また初めての仕事を始めるきっかけが親の義歯製作になることがある。ためしに親の義歯を作って技工士の腕を判断するのであろうか・・・?
歯科医師の義歯を作るということはどういうことなのか、長年歯科医療という仕事に携わり、知識も機能も形態も熟知した術者であり評論家である最強の患者さんなのだ。考えると恐ろしくなるので平常心で作るのだが、意外とそれを調整する子供である先生が恐れながら慎重に調整している。
昔歯科大学の元教授の義歯を製作したことがある。何を言われても自分の向上のためと覚悟を決めて製作するも、先生の調整が絶妙!帰りに一緒に焼き鳥に行く。作る人もプロなら使う人もプロ!義歯という怪物は理にかなった作り方と使い方をすれば生体の一部になると感じる。
| Dental Design | 02:06 | comments(1) | trackbacks(0) |
“審美義歯!”・・・?
顔色が健康的で、いつもゴルフ好きの元気な70歳代の男の患者さんでした。
上顎が総義歯で下顎に前歯が残っている症例でした。咬合採得後シェードテイキングに立ち会い下顎前歯の色に合わせたところバイオブレンドシェードで112でしたので歯科医師に確認して持ち帰り配列しようと思い指示書を見たところ。「技工指示書に“いつもの色”でお願いします」と書いてありました。そこで再確認しなかった私が悪いのではあるが・・・
配列をして配列試適に立ち会った。歯科医師から「何!色が違う!指示通りではない!」と再配列と指示された。
患者さんも私もバイオブレンド112で満足していたのですが・・・・・
歯科医師いわく「いつもの色とはビタシェードのA3があたりまえ」とのことでした。理由をお聞きしたところ、「上顎が総義歯であり、いずれ下顎前歯は喪失するので残っている下顎前歯に合わす必要がないそれが審美義歯だ」と。総義歯は“審美的にもA3であたりまえ”とのことで、指示通りA3にて“心に疑問を感じながら義歯を完成させ”義歯を届けました。考えさせられた症例であった。審美とは何か?あたりまえとは何か?総義歯とは何か?歯科医師の個人的な固定観念が「総義歯=審美=A3=あたりまえ」となっているように感じた。
シェードテイキングの意味とは・・・・
あたりまえであれば見る必要もないし、患者さんや第三者に同意を求める必要もない。
患者さんの情報は残っている健全な歯であり年齢であり肌の色であり髪や目の色も唇の色などを参考に患者さんに適合させる技術が“最善な医療”ではないでしょうか。「審美的=白い色」は本当に患者さんの望みなのだろうか。
| Dental Design | 00:10 | comments(1) | trackbacks(0) |